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プレイングマネージャーに、部下を見る時間は増やせない

自分の数字を追いながら部下を見る。時間を作れと言われても、作れたためしがない。増やせないのは努力が足りないからではなく、締切のない仕事だからです。時間を増やさずに部下を見る分け方と、上が決めるべきことを整理しました。

自分の担当を持ったまま、五人、八人の部下を見る。プレイングマネージャーの多くは、部下と向き合う時間が足りないと感じています。相談すると返ってくるのは、たいてい「時間を作りましょう」という助言です。予定を見直す、会議を減らす、朝の三十分を使う。試してみても、気づけば元に戻っています。

戻るのは、本人の意志が弱いからではありません。部下を見る仕事には、ほかの仕事と違う性質があります。

締切のない仕事は、締切のある仕事に負ける

自分の数字には締切があります。月末があり、顧客の期日があり、遅れれば誰かが困ります。部下を見る仕事には、それがありません。今週やらなくても、今週は何も起きないからです。

締切のある仕事と無い仕事が同じ一日に並べば、毎回、締切のあるほうが勝ちます。これは優先順位の付け方が下手なのではなく、正しく付けた結果です。そして締切のない仕事は、問題になって初めて締切を持ちます。部下が辞めると言いに来た日が、その締切です。

まとめて取った時間から、崩れる

よくある立て直し方は、まとまった時間を確保することです。月に一度の半日を部下との面談に充てる、四半期ごとに振り返りの日を設ける。

ところが、大きな塊ほど動かされます。繁忙期に入れば、真っ先に「来月に回そう」となるのはこの半日です。半日を守れる月は、もともと時間に余裕のある月だけです。いちばん部下を見るべき忙しい月に、いちばん見なくなります。

増やすのではなく、細かく分ける

時間を増やす代わりに、部下を見る仕事を、締切のある仕事の隙間に入る大きさまで分けます。どれも、来週から試せます。

今週気にかける人を、一人か二人に決める。全員を同じ深さで毎週見る必要はありません。週の初めに、今週はこの人、と決めておくだけで、見る仕事に宛先ができます。順番に回せば、一か月で全員に一度は深く目が届きます。

読むのは文字で、返すのは一つだけ。話を聞く時間は取れなくても、文字を読む時間なら一本一分で済みます。全部に丁寧に返そうとすると手が止まるので、気になった一つにだけ返します。三十秒で書ける返し方で十分です。

予定に入れるのは、短い枠を週に一度。金曜の夕方に十五分、と決めて予定表に入れます。半日は動かされても、十五分はたいてい残ります。その十五分で、今週の文字を読み返し、来週気にかける人を決めます。

手放す仕事は、上が決める

ここまでは本人にできることです。ただ、本人の工夫だけで空けられる時間には限りがあります。自分の数字の目標をそのまま据え置いて、部下の育成を足すなら、それは時間の割り振りではなく、仕事の上乗せです。

経営や上位の管理職が決められることは二つあります。一つは、何を引くかを決めることです。数字の一部を誰かに移す、出なくてよい会議を指定する。もう一つは、部下を見る仕事を評価の中に置くことです。評価に入っていない仕事は、締切のない仕事のまま残ります。1on1を制度として入れても続かないとき、原因の多くはここにあります。

見えなくなったとき、最初に失うもの

部下を見る時間が取れない状態が続いて、最初に失われるのは大きな問題の発見ではありません。小さな困りごとを、小さいうちに聞く機会です。小さな困りごとは本人が自分で抱え、大きくなってから届きます。そのときには、十五分では足りなくなっています。

時間を増やせないなら、せめて小さいうちに届く道を一本残しておく。プレイングマネージャーに現実的にできるのは、そこまでだと思います。

とどく週報AIのこと

私たちが作っているとどく週報AIは、全員分を読んで一人ひとりに返すところを引き受けます。三つの問いへの答えに、経営方針・チームの目標・リーダーから本人へのメッセージに照らしたことばが、毎週その人に返ります。リーダーは、気にかけたい人にだけ時間を使えます。困りごとの中に退職や心身の不調の兆しが読み取れたときは、直属のリーダーにだけメモが届きます。一人につき月800円、最初の1か月は無料で試せます。

ただ、今週気にかける人を決めて、金曜に十五分を入れるところまでは、道具がなくても来週から始められます。